おきなわ弦楽器【三線】をカーボン&ケブラー繊維でカスタムする(2)
いよいよカーボンを貼り込みます。使用するマトリックス(樹脂=母材)は、対候性の強い(無黄変)高透明性のノンパラポリエステル樹脂です。
コラム
レジン=樹脂なので、あえて「レジン液(樹脂液)」とは業界では言っていません。エポキシクラフト系ではレジン液(樹脂液)の呼び名の方が聞き慣れていると思いますが、液=リキッド(liquid)ですので、レジン液であれば、レジンリキッドと言うことになってしまいますから、混乱してしまうので、ここではレジンはRESIN、樹脂は樹脂、リキッドはリキッドとして明確にして説明させて頂きます。
またFRPでも同じで、FRPは(F)ファイバー(R)レイフォースド(P)プラスチックの略ですからFRP=樹脂ではありません。しかし、最近では大手ショッピングモールではFRP樹脂とかFRP販売とかの誤った宣伝が多く、初心者の方が、FRPの意味を理解出来ず、FRPは液体だと誤解していることが多くなっています。FRPは繊維と樹脂で成形した塊(成形品)の事ですので、FRPの液体は存在不可能だということです。もし液体のFRPがあったとすればそれは硬化不良の失敗品ということになります。(^^;)
ハイブリット三線制作方 三線CFRP加工の製作手順NO.2
2-1カーボンケブラークロス貼りこみ(竿)(ラミネート)クロス準備
ゲルコートが乾燥したら、カーボンを切って準備します。
2-2カーボンケブラークロス、フィッティング(竿)
張り付ける造形物の大きな面積の部分から先に張り、クロス目を見ながら丁寧にゆっくり、やさしく、添えるように張り流します。
2-3クロス塗り込み(竿)(ラミネート)専用クリアレジン
カーボンを先に形状に合わせ、ある程度綺麗に張り付けたら、いよいよ樹脂を塗り込みます。
樹脂は、高透明性ポリエステル樹脂をノンパラのままで、使用します。
樹脂硬化剤MEKPOを1%添加して、良く混ぜから素早くたっぷり塗ります。
このとき、造形物の形状に更に馴染ませ、浮きが出ない様にフィッティングさせるために、樹脂は多目に下に垂れ流れるほど塗りましょう。
樹脂をケチるとクロスが馴染めず、後で浮きが発生し、補修不能で失敗に終わります。
一発で仕上げる必要があるので、細やかさと大胆さのバランスが成功のポイントです。
※段取りは細やかに!塗り作業は大胆に素早く!
2-4クロス塗り込み(竿)(ラミネート)専用クリアレジン
棹の部分は脱泡ローラーは使っていません。
はけ塗りだけでも、薄いクロスは写真のように綺麗に樹脂が含浸してくれます。
2-5クロス塗り込み脱泡(胴)(ラミネート)専用クリアレジン
上の作業と同じですが、ここでは胴の表面の平滑性を重要とし、素早い作業を必要とするため、脱泡ローラーを使っています。
2-7クロス塗り込み脱泡(胴)(ラミネート)完了
1回目の樹脂塗り込みが終わった状態です。
このままでは、クロス目が表面に出るので、硬化後にこの上に樹脂のみをコーティングします。
次は最終コーティングです。
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