おきなわ三線制作方 三線FRP加工の紹介NO.4
三線の胴巻きをカーボンケブラー綾織りを使って、超軟質のエポキシ樹脂で作ったハイブリッドな胴巻きです。
ハイブリッド三線 制作手順
いよいよ、最後のパーツ政策になります。鏡面仕上げ用のプロテクト(耐熱離型)フィルムを使って胴巻きを作ります。
胴巻きは、三味線の胴はこのような部分の外側に帯状に巻き付けている柄の巻物です。今回はたまたまカーボンケブラーの綾織りが和柄に見えてので、カーボンケブラーの黒黄色の綾織り柄で帯(胴巻き)を筑うことに決めました。相当いい感じではないかと承認欲求の自画自賛です。
4-1鏡面仕上げフィルムを使用
次に胴巻きを制作します。
今回は、胴巻きが幅6cmのため、鏡面離型フィルム10cm幅とポリエステル離型テープを使って必要最小限のフィルム幅を準備しました。
4-2フィルムの接合(100mm幅のフィルムを幅広に)
鏡面離型フィルム10cm幅を3枚並べて、突き付けで合わせ、ポリエステル離型テープで繋ぎ、中心の離型フィルムの部分を使って、両サイドに樹脂が逃げる様にしました。
下の写真の状態です。
4-3フレキシブルエポキシレジンは硬質にもなる!
今回、使用した樹脂は、通常注型様で使用されているAXSONの注型用硬度調整型エポキシクリアレジンD-150を積層に応用しました。
ユーザー様から良くお問い合わせ頂くのですが、クリアで軟質カーボンをこの注型用硬度調整型エポキシクリアレジンD-150で簡単に作ることが出来ないかと聞かれるので、この機会に実験を兼ねて軟質カーボンパネルを試作する事にしました。
成功すれば、超軟質カーボンシートが常温、ハンドレイで簡単に作れることになります。
早速、試作開始です。
注型用硬度調整型エポキシクリアレジンD-150を2液1:1で超軟質として配合し良く混ぜて準備します。(配合比率を変化させると石の様に硬質に硬化させることも出来ます。)
始めにフィルム中央部分に調合済みの注型用硬度調整型エポキシクリアレジンD-150を垂らし、均等厚になる様に伸ばします。
4-4東レのトレカカーボンケブラーはデュポン社のケブラー
次にトレカCO7359B/カーボンケブラー綾織を樹脂の上に乗せその上にも注型用硬度調整型エポキシクリアレジンD-150を塗り、脱泡して更にトレカCO7359B/カーボンケブラー綾織を貼り同じく樹脂を塗って脱泡します。
その上から鏡面離型フィルムを貼るのですが、フィルムを貼る前に、カーボンの上に樹脂を余分に垂れ流しておきます。その上から鏡面離型フィルムを端から順に置きます。
フィルムを貼り終ったら、フィルムの上から転圧ローラー等で端から転圧を掛け、気泡を外に追い出しながら、平らに均します。
終わったら、24時間ほど放置します。
25度の気温で外で硬化させた場合、12時間でも硬化しました。
4-5完成フィルム剥がしで鏡面仕上がり
硬化の目安は、周りにはみ出している樹脂や、使用部の外側を切ってみたりして硬化の具合を確認して下さい。
硬化後、写真のように裏表同時にフィルムを剥がします。
そうです。
D-150で超軟質カーボンシートが簡単に作れました。
完成です。
4-6胴巻きにポンチでハトメ
胴巻きが完成したので、最終段階のハトメを取り付けます。
軟質なのでポンチで手押しでも穴を開ける事が出来ました。
ハンマーでポンチを叩かず音を立てず穴が開きます。
4-7胴巻き完成装着
これで完成です。
胴巻きを取り付けて三線らしくなりました。
冒頭にも書きましたが綾織りやカーボンケブラーって和風に見えますね。
4-8胴巻き留め具のオリジナルアレンジは画期的?
胴巻きを固定する紐は、黒の鎖に皮ひもを通して、鎖の冷たさをなくしてみました。
鎖なので、単純発想で鍵で閉める事にして南京錠を取り付けて遊んでみました。(笑)
以上で、すべて終了です。
如何でしたか(^^)
三線だけでなくカーボン加工に参考になりましたでしょうか?
少しでも制作のお役に立てれば幸いです。
最後まで見て頂いて有難う御座いました。
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